新型コロナ感染者の波がまた大きくなって、毎日不安な日々をお過ごしのことと思います。
10月20日に換気設備についてブログを書きましたが、
今日は新型コロナ対策としての換気について、基本的なチェック方法をお伝え致します。
まず、ビルは各居室において建築基準法に則した換気計算が必要になり
設計上、これをクリアしないと一般的にはビルを建てる許可がおりません。
換気に関わる計算方法には大きく分けて2つあり、充分に換気できる窓の面積か
一定能力の換気設備を設計上に組み込む必要があります。
難しいことは省きますが、換気基準を満たさないビルは建てられないということです。
問題はここからです!
ビルに入居する前に間仕切り工事を行ない、会議室などの個室を設けるときに
その室内に充分な換気能力を見込んで設計されているでしょうか。
オフィスの間仕切り工事は一般的にオフィス家具や事務機などの業者が
設計を行ないますが、その際に業者はエアコンの取り合いのほかに
煙感知器や非常照明などの消防法に準ずる設備を設計に組み込みます。
それに対して換気に関することは、消防法ではなく建築基準法に準拠する事項で、
間仕切り工事の際は、各個室の換気計算まではあまり注視されておりません。
ところが、このコロナ禍で密を避けたり、遠隔会議の頻度が上がったため
会議室の換気を不安視する会社様が増えました。
会議室は文字通り会って議論する場であり、三密になりやすいのに
窓が無いうえ、会話が漏れないように室内を密閉することが多いですよね。
では、窓のない会議室の換気はどうしたら良いでしょうか。
簡単ではございますが、以下にようにチェックして検討してみて下さい。
①建物に換気設備が設置されているか確認する
②会議室内に換気設備があるか確認する
③換気設備の換気能力を確認する
以上、①、②、③が基準以上であれば換気設備としてはそのままで良いと思います。
会議室内に換気設備が無い場合や換気能力が不足している場合は、
以下を検討して下さい。
④既存換気設備の吸気口、給気口を増やす、または換気設備を移設する
⑤会議室に換気扇をつける
この手順で、どれも実現が不可能な場合は間仕切り位置を変更したり
大規模な換気設備工事が必要になります。
新型コロナウィルス対策のために換気設備や間仕切りの位置を変更するということは
感染対策とビル設備の知識を持っている者が必要になります。
また、感染対策としての換気を考える場合は、CO2濃度のためではなく
空気中に漂う飛沫を室外に出すのが目的であり、換気だけでは不充分な場合があります。
新型コロナ対策のために会議室の換気を検討するときは、新型コロナ対策の知識と
ビル設備の知識を持っている当方にご相談下さい。
お役に立てますように!
伊藤